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金取引の基本

マーケットの特徴

金は価格が変動する相場商品であり、世界に共通する価値観をもつ国際商品として活発に取引が行われています。香港、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨークの各市場が世界の四大市場と呼ばれ、価格の指標的立場の市場としての地位を確立しています。金は限りある希少性の高い資源の一つです。需要は宝飾品をはじめ、地金、金貨以外にやコンピューター部品、宇宙衛星などのハイテク産業資源として重要な役割を果たしています。金相場は1971年に米国政府が金本位制を破棄し、金とドルの交換を停止するまで最も信頼される国際通貨でした。金相場は経済安定要素があると高くなることや、決して目減りしないことを考えると、インフレ下で、通貨の価値が下がっていく時期には、「インフレ・ヘッジ」として金投資が勢いを得ることになります。

金相場変動要因

  1. 為替市場で各国通貨に対してドルが上昇基調にあるとき金価格は下げ、逆に下げ基調にあるとき金価格は上がる傾向があります。ドルの上昇は各国通貨建ての金価格の上昇につながり買いが手控えられ、また値上がりの結果、売りが出やすくなるとの連想からドル建て金価格は下落する傾向が強まります。逆にドルの下落は、各国通貨建ての金価格の下落となるため、買いが入りやすい環境となり、値下がりから売りも出にくくなるとの連想からドル建て金価格は上昇する傾向が強まります。
  2. NY株式市場の動向と金価格は逆の値動きをする傾向にあります。NY株式市場の好調持続は、米国経済の先行きの明るさを示し、逆に不調は米国経済の陰りを示し、ドル相場にも影響を与えることから金価格への影響度も高くなります。例えば、'01年9月の同時多発テロによりNY証券取引所が一時閉鎖に追いやられその後株価が急落した際に、ドル建て金価格は急騰しました。
  3. 原油価格の上昇は製品価格や輸送費の上昇などからインフレ促進を連想させ、かつては金価格も影響を受け上昇しました。しかし近年はインフレの沈静化もあり原油と金の連動性は薄れていました。最近も紛争やテロなどの影響で原油価格が上昇する局面がありますが、それがインフレにつながるとの理由ではなく、価格上昇が低迷基調にある米国経済また世界経済の回復を阻害するものとして、株式や為替など金融市場の波乱に結びつくとの連想から金が買われる傾向が強まっています。再び金と原油価格の連動性が高まっているわけです。
  4. 金価格と金利の上下にも一般的に逆の関係があると言えます。これは、金は利息を生む商品ではないため、高金利時代にはその魅力も陰りがちとなるからです。逆に低金利時代は、金の相対的な魅力は増すことになります。また米国での金利変動が、ドル相場や株式市場に与える影響にも注意が必要となります。

金価格

国際的な指標となっている現物価格は、ロンドンにあるNMロスチャイルド&サンズ社の通称「黄金の間」で決定されている価格です。これを値決め(フィクシング)と呼んでいますが、午前10時30分と午後3時の2回行われています。参加メンバーは、NMロスチャイルド&サンズ、ドイツ銀行、ノバ・スコシア銀行、HSBC、ソシエテ・ジェネラルの5社で、各社はそれぞれの顧客の注文をつき合わせ、売買が折り合ったところで価格を決め、公表しています。

需要

金は錆びないこと、見栄えのよさ、輝きからその用途の80%は宝飾品に使われています。さらには古くから美術工芸品や宗教用具、さらには貨幣の代わりとしても用いられてきました。
金は錆びないこと、見栄えのよさ、輝きからその用途の80%は宝飾品に使われています。さらには古くから美術工芸品や宗教用具、さらには貨幣の代わりとしても用いられてきました。近年では、電気を通しやすい性質から、半導体などエレクトロニクス産業などにも使われています。他にはメッキ、歯科用材、公的金貨、メダルなどにも使われます。 金の需要は加工用と退蔵用の2つに大きく分かれます。加工用には宝飾品のほかに、電気部品やメッキ、歯科用材などの工業品があり、退蔵用には投資用として金塊退蔵、欧米の退蔵購入があります。

供給

金の供給源は鉱山の生産と二次供給(スクラップからの回収)がほとんどです。鉱山からは年間約2,600トンが新規採掘されています。主要な生産国は南アフリカ、米国、オーストラリアですが、南アフリカは生産コストの高さから年々減少気味です。近年は中国、インドネシア、ペルーなどが生産に力を入れています。注目するべきはこれら生産国の為替動向です。例えば生産国の通貨が下落すれば輸出収入が目減りするため金価格そのものの値上げの動きが起きます。



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鈴川克哉 FXプロフェッサー
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